OpenCerts (November 3, 2019) Retrieved from https://opencerts.io/
2019年からシンガポールの18教育機関で卒業証書などの証書がブロックチェーンベースのデジタル証書になります。
これはシンガポール政府がOpenCertsプロジェクトと呼んで始めたもので、教育省やGovTech、SkillsFuture、そしてNgee Ann Polytechnicが共同で Ethereumのプラットフォームを利用して開発しました。
これにより卒業証書の印刷と、卒業証書が本物であるかという確認作業から開放されます。
通常、卒業証書といった書類はそれぞれの教育機関から発行されるもので、そこで発行された卒業証書が本物かどうか確かめるには、その教育機関に問い合わせる必要があります。そこには中央管理されたサーバーがあり、学生のデータはそこで一括管理されているはずです。
まず、このOpenCertsのプラットフォーム上で卒業証書が発行されると、それに伴い認識番号が付与さます。また卒業証書に関する情報が圧縮され、その認識番号と圧縮情報が .opencertファイルとブロックチェーンに書き込まれます。
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ブロックチェーンとは、誰がどこで何を発行されたかといったやり取りの情報=トランザクションがいくか集まったものをブロックと呼び、それぞれのブロックにはタイムスタンプと前のブロックへのリンクが含まれ、それが鎖のように連結していくことによりデータを保管するデータベースのことです。
ブロックチェーンを利用すると、中央機関とするものが存在せず、卒業証書の情報がネットワークに分散されたコンピュータ上で公開管理(分散型台帳)されます。もし意図的に発行機関以外の人がデジタル卒業証書を書き換えると、そこに埋め込まれている情報と、ブロックチェーン上で管理されている情報がマッチしないので、改ざんがバレてしまいます。
手元に実際のデジタル卒業証書がないので、システムのデモをご覧ください
Youtube video from Agile Consulting & Engineering (ACE) team at Government Digital Services (GDS), GovTech
この OpenCertsはブロックチェーンを使用した、初めてのシンガポール政府のサービスです。ブロックチェーン技術は今後も様々な分野で取り入れられる技術であると考えられます。他にもシンガポール政府のサービスに利用されていくのではないでしょうか。例えば、シンガポールの国営住宅の取引履歴など、ブロックチェーンが使えるのではないかと。どのように応用されていくのか楽しみです。
Referencecs:
Channel News Asia: Students graduating from local schools to receive ‘tamper-resistant’ digital certificates
https://www.channelnewsasia.com/news/singapore/students-graduating-tamper-resistant-digital-certificates-11499166
GovTech: With this blockchain-based platform, you may no longer need physical certificates
https://www.tech.gov.sg/media/technews/with-this-blockchain-based-platform-you-may-no-longer-need-physical-certificates